ステファノスに見る後躯の回旋
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後躯の使い方の特徴のひとつに旋回の大きさがあります。
現役でも屈指の身体の柔らかさを誇るステファノス。
ディープ産駒らしく全体を柔らかく使うことができる優秀な馬です。
この馬の後躯の使い方はかなり特徴的です。
写真のように蹴り上げた脚がかなり跳ね上がり、高く上がっていることが確認できます。ここまで上がる馬は珍しい。
この柔らかさが、屈指の爆発的な脚力を生み出しているわけですが、この蹴り上げた脚を戻す際に大きな旋回を描く為、瞬間的なギアの切り替えが難しくなるります。
脚を戻すことに時間がかかる為、細かいリズムが刻めないのが一因です。
本来であれば、バネのように蹴り上げた脚を一直線上に戻すのが理想ですが、円を描くように脚を動かすので、どうしてもゆったりとした脚の運びになってしまいます。
この動きだと展開が忙しいマイル対応は難しくなる。
馬体の造りもありますが、ステファノスの場合で言えば理想は2000m程度。
追い切り映像をスローで確認してみてください。 他の馬との違いがわかるはずです。
ちなみにこのときのロゴタイプの追い切りは絶品です(?)
日本を代表する10の厩舎の追い切りの特徴
藤原厩舎
近年の代表馬
ストレイトガール・トーセンラー・エイシンフラッシュ
基本的に最終は坂路。
この厩舎の中心馬はレースを通して身体を仕上げます。
ステップレースでは馬にストレスを与えないような競馬をすることを心がけている。
差し型の馬であれば、後方待機から直線だけ伸ばします。
先行馬であれば馬のリズム良く先行させ、無理なポジション取りはしません。
その際の勝負度合は低めです。
近年ではストレイトガールやフィエロ。現在はステファノスが該当。厩舎期待馬はトーセンバジルです。
勝負ジョッキーは戸崎J。
角居厩舎
近年の代表馬ルーラーシップ・エピファネイア・リオンディーズ
角居厩舎は中間の本数が多めのときは本気度が高いタイプ。
最終は坂路のときもあればウッドチップのときもあります。それは馬のタイプによる。
コースで最終を迎えるときは3頭併せの最内を走る馬が本当に仕上げたい対象の馬です。
しっかりその馬の適正レースを見極めて出走してくるので、基本的に出走馬の期待値は高い。
反面レースを通して競馬を教え込む傾向があるのであっさり負けることもある。
勝負ジョッキーはデムルメをはじめとする外人J
音無厩舎
近年の代表馬 ミッキーアイル・カンパニー
坂路追いでスタートから強く追う。
1F目を13秒台で走れれば本気度高めです。
結果的に終いが遅くなることが多いのでそこに惑わされないように注意が必要です。
苦しそうに走らず、そしてしっかり軸がブレることなく走りきることが出来ればOKです。
G1では多頭出しをすることが多いので、その際には出走馬の序列をしっかり確認したほうが良い。
期待値の高くない馬で松若Jに多くの経験を積ませており、その際は勝負度合いは低い。勝負ジョッキーはルメール。
友道厩舎
近年の代表馬 マカヒキ・ヴィルシーナ
近年で最も状態のピークを作ることがうまい厩舎。
一週前の追い切りを一杯でやって、最終が単走で馬なり調整。
逆に最終でもびっしりやるようだと仕上っていない可能性が高い。
国枝厩舎
近年の代表馬 アパパネ・マツリダゴッホ
最終を馬なり調整。併せ馬を突き放すような心身状態になれているようだとOK。
勝負ジョッキーは蛯名J
堀厩舎
近年の代表馬 モーリス・ドゥラメンテ
最終を美浦Wで馬なり調整。
最終でも強くやるようだと、まだ仕上がってない証拠。
少数精鋭の厩舎で、基本出走馬の質は高い。
ムーアが来日した際の所属厩舎。 ムーアが騎乗したときの堀厩舎はしっかり仕上げており連対率がかなり上がる。
池江厩舎
近年の代表馬 サトノダイヤモンド
ジョギングにも満たない非常にダラッとした追い切りをトラックで済ませる際には、見た目には悪いが仕上がっていることが多い。
3ハロンでさっと馬なりで走らせるときは仕上がっている証拠。
勝負騎手は川田J。あるいはデムーロ、ルメール。
藤沢厩舎
近年の代表馬 ソウルスターリング
基本的に時間をかけて育てていくタイプで、牡馬クラシックは本気度が低い。
ただ今年はレイデオロ始め、しっかりと仕上げて来ており、調整の方法を変えて来ているとのこと。
牝馬クラシックは早めに実績を上げさせる為、もともとしっかりと仕上げてくる傾向にあった。
この厩舎は最終の追い切りを強くやる傾向がある。 その際は勝負度合い高め。
また新たな傾向があった場合は更新します。
マキシマムドパリ 馬体・追い切り 状態ピークで挑む一戦。持続戦に持ち込めれば。
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マキシマムドパリ
松元厩舎
キングカメハメハ産駒
母父サンデーサイレンス
クイーンステークス
前走は追い切りからも充実度が感じられましたし、積極的に仕掛けて行って持続する脚を活かした形。素晴らしい騎乗だったと思います。
走りを見てても非常にスマートで柔らかく良いですね。
脚回りも適度に硬さがあるので洋芝対応はできます。
ただ脚回り含め、全体的にスラっとした身体なので距離短縮はあまり歓迎できない材料です。
馬体
筋肉の状態などは前走時同様に良い状態をキープ出来ています。
かなり充実しているタイミングで、崩れることはないだろうなあという印象を受けます。
しっかり前受けして自身のリズムで走れれば、終いが甘くなるようなことはないでしょう。
最終追い切り
函館W良
72.5-56.0-41.1-12.9
馬なりで軽い内容の追い切りです。
あまり大きく動かされてないので全体的な躍動感であったり柔軟性だとかは確認できませんが、追われればそれなりに弾けそうな雰囲気はある。
しっかり集中した走りで態勢は整っています。
傾向
パールコード 馬体・追い切り 大きく成長した好馬体で懸念材料は洋芝対応だけ
パールコード
中内田厩舎
ヴィクトワールピサ産駒
クイーンステークス
久々の登場です。
全体的にバランスのとれた好馬体で、トモを中心に筋肉量も素晴らしい馬です。
やや前の出が悪い印象がありますが、その分後ろが柔らかく弾けることができる。
走法はグリップ良く小回り対応ができますが、前で勝負するよりも後ろから脚を活かしたほうが良いでしょう。
その点近走は前で勝負することが多くなっているので、最後甘くなるところは出そうです。
また、洋芝に対する対応は、脚回りを見る感じだと少し厳しいように感じます。
実際に軽い馬場の京都での好走がありますし、造り的には微妙かと。
馬体
休み明けとは言え中内田厩舎。しっかり仕上げて来ています。
体重の割にスラっとみせている感じが好印象で締まりのある身体です。
良い雰囲気で成長しているようで、かなりポテンシャルを感じさせる馬体になってきました。
これなら一線級の牝馬と並べても遜色ないし、今回の相手関係で考えれば勝ち切るところまで考えられるレベル。あとは洋芝対応だけ。
最終追い切り
札幌芝良
81.5-64.9-49.9-34.9-11.2
川田騎手乗ってますね。
滞空時間の長い跳びある走りで、軽く追われるとスッと伸びて並走馬を差し切ります。
全体的に柔らかさが増しているし、大きな馬体をしっかり操れています。
時計も上々ですし、懸念していた洋芝対応もこれなら大丈夫でしょう。
素晴らしい追い切り。